マイナンバーカードの空き領域とは?マイナンバーカード導入の担当者ならおさえておきたい自治体や企業の活用事例を紹介
マイナンバーカードの「空き領域」とは
マイナンバーカードのICチップには未使用の領域があり、そこにカードアプリケーションを搭載することで、自治体や事業者は国民にさまざまなサービスを提供することが可能です。この未使用の領域のことを、マイナンバーカードの「空き領域」と言います。
自治体や事業者は自由(※)にその空き領域を使用することができます。
カードアプリケーションについて
カードアプリケーション(以下AP)とは、マイナンバーカードを利用した、職員証、入退館管理、図書館等といった各種サービスを提供するために必要となる情報のことです。
独自のAPを開発することも可能ですが、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が提供する3種類の標準カードAPも無償で利用可能です。以下に、無償提供されている標準カードAPの特徴を示します。
空き領域を活用したサービス例
マイナンバーカードのICチップの空き容量を活用する事例は、以下のようなものがあります。
空き領域を図書館利用カードとして活用
公立図書館で本を借りるのに必須の図書館利用カード。この機能をマイナンバーカードに搭載し、本の貸出が行えるようにしている自治体が増えています。
マイナンバーカードは非接触型認証に対応しており、図書館の貸し出しカウンターに専用の認証端末を置くことで、カウンターを無人化することができます。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からも、非常に画期的なサービスです。
空き領域を社会保障や災害時に活用
自然災害が頻発する日本において、「非常時の行政サービスの電子化」はもはや避けて通れないもの。行方不明者の人数や被災家屋の数を迅速に把握することにより、被害の大きさを即座に知ることができるようになります。
新潟県三条市では災害時に避難所の受付にマイナンバーカードを提示することで、避難世帯員全員を一括で受け付けすることができる仕組みを導入しています。
これにより、効率的かつ的確に安否確認を行うことができます。
空き領域を交通サービスに活用
高齢者や介護認定者などの移動が困難な人々がタクシーを利用する際、運賃補助を行う自治体が増えています。群馬県前橋市では、「マイタク」という補助制度があり、住民が利用登録を行うと利用登録書と利用券が発行され、タクシー利用時に提示することで運賃補助を受けることができます。
市役所の窓口でマイナンバーカードの空き領域にカードAPを書き込み、住民がタクシー内の端末でICチップを読み取ることで、自動的に割引料金が計算され、住民は手間なく簡単に利用できるようになっています。
民間事業者による空き領域の活用
マイナンバーカードのICチップの空き領域は、本人確認や個人情報の提供同意などに活用でき、民間分野のデジタル化も促進します。
例えば、株式会社内田洋行、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社TKCでは、ICチップの空き領域に社員の識別情報を格納する独自のアプリケーションを搭載し、施設の出入り管理や管理者の識別・認証に利用しています。
最後に
マイナンバーカードのICチップの空き領域は、行政手続きだけでなく、民間企業の様々なサービスにも活用できる非常に有用な機能です。 企業はこの空き領域を利用して、社員の識別情報を管理し、セキュリティを強化するなど、マイナンバーカードは多岐にわたる利便性を提供しています。
今後、この機能をさらに活用することで、私たちの生活や業務が一層効率化されることが期待されます。マイナンバーカードの空き領域は、デジタル社会の重要なインフラとしてますます注目されるでしょう。
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