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マイナンバーカード関連事業の担当者なら押さえておきたい「新マイナンバーカード」の特徴と公的個人認証サービス(JPKI)導入時の3つの検討ポイント~マイナンバーカードとデジタルIDの融合が切り拓くフィンテックの世界③~


はじめに

2024年5月、iOSスマホヘのマイナンバーカード機能搭載(※1)や携帯契約時にマイナンバーカードが必須になるなど(※2)大きなニュースになりました。さらに2026年には新しいデザインと機能を備えた「新マイナンバーカード」が導入されることが決まっており、企業や自治体のマイナンバーカード関連事業の担当者にとっては大きな関心事になっているかと思います。

本記事では、マイナンバーカード関連事業の担当者が押さえておくべき新しいマイナンバーカードの特徴を解説し、公的個人認証サービス(JPKI)導入時に考慮すべき3つの検討ポイントを詳述します。不正取引の防止や業務効率化、コスト削減のために、いま知っておくべき最新情報をお届けします。次世代のマイナンバーカードがもたらす変革に備え、効果的な導入準備を進めましょう。

※1…日本経済新聞「iPhoneにマイナンバー搭載 身分証明機能、25年夏までに
※2…TBSニュース『携帯契約の本人確認、マイナンバーカードの読み取り義務化へ 「非対面の契約」ではマイナカードに一本化

「新マイナンバーカード」とは

「新マイナンバーカード」とは、2026年に向けて提供が予定されている次世代のマイナンバーカードのことです。このカードは、現在のマイナンバーカードからデザインと機能が大幅に刷新される予定です。カードデザインの刷新に加えて、公的個人認証サービスの利用に関連する仕様面で、いくつかの変更が想定や検討がされています。

※参考…デジタル庁「次期個人番号カードタスクフォース(第4回)

デザイン変更

新しいマイナンバーカードは、偽造防止対策とユニバーサルデザインに対応してデザインが一新されます。これまでのカードに記載されていた性別表記は削除されるため、券面の目視だけでは戸籍に登録されている性別が分からなくなります。

また、姓名のローマ字表記が新たに追加され、この情報はICチップにも保存されます。これにより、将来的にはマイナンバーカードから名前の読み仮名を自動取得することが可能になると予想されます。なお、マイナンバーは引き続き券面に記載されます。

暗証番号の仕様変更

現在のマイナンバーカードには、利用者用証明書の認証用に4桁のパスワード、犯収法の口座開設などで使用される署名用電子証明書のための6~16桁のパスワード、さらに券面情報を読み取るためのパスワードなど、合計4つの異なるパスワードがあり、利用者が混乱する要因となっています。

しかし、新しいマイナンバーカードでは、公的個人認証サービスを利用するためのパスワードと、券面情報を利用するためのパスワードの2種類に統合され、パスワード管理と利用の利便性が向上することが期待されています。

「マイナンバーカード」という名称の変更を検討

これまで、「マイナンバーカード」という名称は、12桁のマイナンバーを使わないカードの利用でもマイナンバーの使用と混同されることがあり、そのため利用者がカードの使用に不安を感じることが少なからずありました。

マイナンバーカードを活用する事業者にとっても、利用者に対してマイナンバーとマイナンバーカードの違いを説明する負担は一定程度存在していました。今回のカード刷新に合わせて、マイナンバーカードの名称変更が検討されており、名称の公募も考えられています。

金融機関において新マイナンバーカード活用も視野に入れた3つの検討事項

マイナンバーカードの刷新が計画されていることにより、現在公的個人認証サービスの導入を検討している金融機関には、UIUXの変更など、一定の影響があると予想されます。刷新後に必要な機能の改修などを考慮しながら、実装要件を確定させることが、今後1〜2年間で必要とされるでしょう。また最近では、偽造身分証やAI技術を利用した不正取引や銀行口座開設に関するニュース(※)が日々報じられるようになっています。

これらの犯罪に対抗するためにマイナンバーカードの活用がますます重要となっています。そこで、今、マイナンバーカードの活用を検討している方々が押さえておくべき3つの検討事項を紹介します。

※参考…讀賣新聞『「偽造拠点」は浦安の民泊施設…ニセ免許証使いスマホで口座開設、カード詐取の3人逮捕

検討事項①既存eKYC手法を残すかどうか

現在、多くの金融機関では従来のeKYC方式が採用されています。しかし、前述の通り、これらの脆弱性を突いた詐欺や犯罪が頻発しているため、より確実な本人確認ができる公的個人認証サービスに統一することが、金融機関および顧客双方にとって最善の選択となります。

また、業務オペレーションやコストの観点でも一本化するほうがメリットが多いことは明らかです。一方で、マイナンバーカードを未だ保有していない20%強(2024年3月時点)の国民を取りこぼしてしまわないかという懸念は、営利企業ならシビアに考えるべきポイントでもあります。ここでの検討ポイントは大きく2つです。

まずは、既存eKYCが導入されている場合、アップロードされている身分証種別が何か、を年齢セグメントごとに分析すること。また、マイナンバーカードの世代ごとの普及率データは公開されていますので、それらを含めて、実際に自社顧客セグメントにおいての普及率を把握することです。(実際には2割強よりももっと少ない影響であることが多いことがここでわかります。)

また、マイナンバーカードの券面が2026年から刷新されること、24年度中には運転免許証とマイナの一体化も始まることを考えると、26年までには今の手法から切り替えておく。というのが一つの期限の目安になるかと思います。

検討事項②公的個人認証サービス実装方法

公的個人認証サービスの導入には複数の方法があります。一つは、自社アプリを持つ場合、アプリ用SDKを利用してマイナンバーカードを読み取る方法です。しかし、これには自社アプリの更新とメンテナンスにかかるコストが高いという課題があります。もう一つの方法は、xIDアプリをはじめとした、外部のマイナンバーカード読取りアプリを活用することです。

この場合、APIなどを利用して自社アプリと連携できるため、メンテナンスコストが比較的低く抑えられます。これまでの事例から見ると、ライトなユーザー数のアプリを持つ企業は外部アプリとの連携を選択しますが、500万ユーザーを超えるような大規模なユーザーベースを持つ企業になってくると、SDKを組み込む傾向が高くなります。

xIDでは公的個人認証サービス実装方法として、アプリ用SDK(xID SDK)とマイナンバーカード読取りアプリ(xIDアプリ)のどちらも提供しておりますので、サービスの詳細をお知りになりたい方は、合わせて下記のプレスリリースもご覧ください。

xIDプレスリリース「xID、NTTデータと連携を強化し、包括的な公的個人認証ソリューションの提供を開始

検討事項③口座開設時の本人確認以外での利活用シーンを検討する

公的個人認証サービス活用による口座開設だけに目が行きがちですが、同時に考えておいたほうがよい、いくつかの利活用シーンが存在します。

一つ目は、オンラインでのマイナンバー収集(※)です。マイナンバーカードの機能を活用すると、これまで窓口での届出をしていただいていた顧客の12桁のマイナンバーを、間違いなくオンラインで収集することが可能になります。法令で求められる本人確認も同時に完了するため、口座開設と同時にスムーズに行える導線設計が可能です。

そして、二つ目が、最新4情報の自動更新です。これまでの連載でも触れた通り、事前に本人同意を取得することで、これまでは、手紙や顧客からの申請によって更新していた4情報が、住民基本台帳を経由して、最新の苗字や、引越し後の住所情報を金融機関が取得できるようになりました。口座開設後に時間がたってから本人同意を取得するのは、ハードルが上がるため、公的個人認証サービス導入時に同時に実装を検討できるとよいでしょう。

※参考…一般社団法人全国銀行協会「マイナンバーの届出にご協力ください

さいごに

新しいマイナンバーカードの特徴と公的個人認証サービス導入時の検討ポイントを挙げてきました。これらは、個人情報の保護やセキュリティの強化に直結する重要な要素です。新しいマイナンバーカードは、セキュリティと利便性を両立させたデザインや機能の改善が図られており、公的個人認証サービス導入時には適切な戦略や対策が求められます。担当者はこれらの要素を熟慮し、効果的な導入を検討することが重要です。

xIDでは金融機関アプリや自治体サービスへのマイナンバーカード実装に向けたご相談の対応を随時承っておりますので、下記連絡先よりお気軽にお問い合わせください。

またxIDblogでは、金融機関様向けのコンテンツを充実させております。金融サービスのeKYC導入ご担当者様はぜひ下記の記事もご覧ください。


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